エッセイ「異なり記念日」 /
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出版社:医学書院
装丁:文平銀座(寄藤文平+鈴木千佳子)
仕様:A5並製 240頁
定価:2000円+税
発刊:2018年7月23日
ISBN-13: 978-4260036290
手と目で「看る」とはどういうことか。
「聞こえる家族」に生まれたろう者の僕と、「ろう家族」に生まれたろう者の妻。
ふたりの間に、聞こえる子どもがやってきた!
身体と文化を異にする3人は、言葉の前にまなざしを交わし、慰めの前に手触りを送る。
見る、聞く、話す、触れることの〈歓び〉とともに。
ケアが発生する現場からの感動的な実況報告。
*「ケアをひらく」は株式会社医学書院の登録商標です。
→様々な雑誌、新聞などで紹介されました。(医学書院 HPへリンク)
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序文
男の写真家は聴者の家庭で育ち、
日本語に近づく教育を受けました。
(本格的に日本手話を使いはじめたのは十六歳のときです)。
女の写真家はろう者の家庭で育ち、
生まれたときから日本手話で語り、聴きました。
日本語と日本手話は別の言語です。
言葉が違えば見ている世界も違います。
やがてふたりは結婚して、こどもを授かりました。
どうやら聞こえるらしい。聴者です。
からだが違えば見ている世界も違います。
そんな「異なる」三人が、
毎日をどんな風に過ごしているのか――。
本書は、男の写真家から見た記録です。
目次
1 唄っていた
2 よく看える
3 聞こえの兆し
4 手の物語
5 生活を見にいく
6 湯けむりひらめき
まなみというひと
7 電話をかけよう
8 世界はことば
9 隣接する平行線
10 Hの字で寝る
11 すき! すき! すき!
12 異なり記念日
あとがき
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*『異なり記念日』は、晶文社の『声めぐり』と同時刊行されました。
『声めぐり』は齋藤陽道さんが手話に出会い、他者と交流し、「声」を発見するまでが記されています。
『異なり記念日』では、麻奈美さんと結ばれ、樹さんを授かった後の毎日の「声」のやりとりが描かれます。
そしてどちらも、ブックデザインは文平銀座(寄藤文平+鈴木千佳子)。
二つの異なる出版社から、一人の著者の本が、同じデザイナーによって、同時につくられました。